原盤権をアーティストが保有できるレーベル
記事:
産経 |
K.N.I.S. BizDev
Equity Records という新しいレコード会社では、アーティストに著作物の所有権を保証するのだそうです。
日本でいうところの「原盤権」をアーティストに渡すということなのだと思いますが、米国の場合、レコード会社がこの原盤権を保有する事が多いようです。一方日本では原盤権はレコード会社が保有する場合もあるけど、アーティストの事務所だったり、音楽出版社といった原盤管理なんかを専門にやる組織が持つ場合が多く、レコード会社だけの判断で音楽配信が出来ないなんてのも、日本で音楽配信がさかんになってない原因になっているらしい(古いけど
このヘン参照)。
さて、この原盤権ですけど、日本では「原盤作成に関する費用を出資した組織が保有する」というのが一般的らしい。要するにレコーディングって費用かさむけど、それが売れる保証はないわけで、そのヘンのリスクを負う代わりに、プロモーション展開したりしてその音源(から作ったCD)が売れた場合は原盤権をもってる組織が儲けられるという仕組みなわけです。(
ヤマハ音楽振興会や
MPAの資料を参照)
というわけで、自分で作ったつもりの曲でも、原盤ビジネスをやってる所と契約してレコーディングすると、その音源はアーティストが自由に(例えばネットでの配信等に)使えるわけではなく、原盤権を保有している組織に認可を取ったり契約を交わしたりしないと使えないのです。これもネット上での配信をやりにくくしている要素だったりするわけです。
まぁ、そういう権利管理をまじめにやるのはタイヘンなので、そのヘンを代行してくれる音楽出版社やレコード会社ってのが要らないっていう訳ではないんですけど、アーティストの意向通りに使えない辺りが問題だったわけです。
今回のニュースのレコード会社はそういう多様な音楽利用の希望があるアーティストには素晴らしい選択肢なんだと思います。(「
こうすれば日本の音楽配信が可能になる」これも参考になるかなぁ…)
by CAB at 03/08/26 02:51