プロセス、なわばり、印税
メジャー系CD作成に関わるプロセスとアクターと縄張りと印税の推測図
MOK radio聴いてました。今夜のRadio聴いてたりとか、
音楽配信メモさんで引用されてたCCCDに関する某プロデューサのコメントなんか読んでると、CDできるまでの現場ってすでに高度に分業化されてて、それぞれの責任範囲っつうかなわばりみたいなのが出来上がってるようですね。でもって、なわばり外でやられてる事にはあんまり口が出せなかったり、意識が行き届いてなかったりするってのが現状なんだなぁと思ったりしたわけです。あと、もしかしたら売上に応じて左右される「印税」が入る/入らないなんてのもそういう意識の差の原因だったりするのか?とかいろいろと想像してみたりしたんですけど、どうなんでしょうね?
というわけで、CD作ってリスナーに届くまでをメジャー系の場合を例にちょっと調べてカナリいいかげんな図を作ってみました。印税の流れもわかるように。印税の額や配分は個々の契約によって違うみたいなんでまぁ目安だと思ってください。「責任範囲」はカナリ憶測入ってます。(憶測多いので間違いがあったら教えてください。) で、結局CCCDにしてるのはレコード会社なワケで、ちょぼちょぼ漏れ聞こえてくる音楽産業に関わる発言主たちのなわばりの外って感じなのかなと。
黄色い枠のアクターが印税をもらえます。プロデューサーは印税契約している場合のみで、それ以外は1回いくらの単発契約。その他のレコーディングやマスタリングに関わるアクターも恐らく単発契約で売上枚数は関係ない。
レコーディング〜マスタリングすなわち原盤を作るまでの所の費用を持つのが音楽出版社などの原盤所有会社でこれはレコード会社だったりプロダクションだったりします。費用を持つので売れなかった場合のリスクも背負い込むことになります。しかし原盤権をもってるアクターはコピーライトのコピー元原盤を持つ訳ですから立場がかなり強いワケです。
個々のアクターは同一のメンバーの場合もある。例えば作詞・作曲・歌手・アレンジャなんかは一緒の場合もあるし、レコード会社やその系列会社が原盤権を持つ場合もある。少ないけど、原盤権を所有してるシンガーソングライターなんかもいらっしゃる。
というわけで、CCCD反対な場合は誰にどんな事を働きかけていけばいいのやら?考える材料になるかな??
参考にしたページ:
追記:落合真司さんの
MUSIC DICTIONARYも参考になる。
by CAB at 03/11/01 05:21
コメントありがとうございます。
rickさんのページは音楽系のアーティストを目指す人にはとっても役に立つ情報が満載ですね。勉強させていただきます。
自分では大体理解していたつもりなのですが、rickさんのおっしゃる「原盤所有会社」とほぼ同じ意味合いで「音楽出版社」という用語を使っていました。
また、「…兼ねて」というのはレコード会社の系列の音楽出版社が持つというようなイメージで書いていました。ちょっと不正確でしたので修正しておきました。
というわけで皆様、上記の記事は手短かに記述するためにまだ正確さを欠いている部分があると思います。上記に関連書籍も追記しましたので、詳しく知りたい方はそちらも読んでみてください。
誤りのご指摘は今後とも歓迎します。
>原盤を作るまでの所は音楽出版社が費用を持つ。
というのは正しくなくて、費用を受け持ったところが原盤を持ちます。原盤所有会社はレコード会社やプロダクション(アーティストオフィス)、(日本の場合は)出版社など様々ですが、数社で持ち合うこともあります。
>レコード会社が音楽出版社を兼ねて
というのは実は出来ない事になっています。
よって別法人になりますが、通常は出版社は
プロダクションやメディア系がほとんどです。
原盤権に関わる組織体型と、著作権に関わる組織体型は別になるようにします。
わかりやすく言えば、楽曲(作詞曲)は著作権で、原盤(プロデュース、編曲、制作などCDの音に関する部分)は原盤権の分野になります。