February 16, 2004

日本にはしょぼい「音楽配信」しかないので、一向に僕たちを揺さぶってくれない

「音楽配信」が揺さぶる、僕たちの生活感覚(RBB TODAY)←music news garage
水島さんのコラム:
あなたがリスペクトしているアーチストって「誰」ですか――本当に存在している人ですか? 繰り返されるコピーとサンプリングの中で、生み出された虚像(シンボル)なんじゃありませんか?
違うなぁ、まず元々コピーを商売にしてその中にシンボルを埋め込んで来たのは既存のパッケージ産業だろと言いたい。
で、もちろんライブを楽しむのも好きだけど、コピーとサンプリングが象徴しているようなテクノミュージックやクラブミュージックも大好きだし、自分でそういうサンプリングベースの音楽を作ることにもとても興味があるし、事実世界はそれが僕みたいな素人にもできる世の中になりつつあるんだと思うなぁ。
すなわち、音楽の楽しみ方や使われ方がライブやパッケージを受動的に拝聴する以外にも「コピーとサンプリング」の方向に拡大して来ているのだと思いますよ。ちょっと考えれば既存のパッケージ産業にとってもビジネス拡大のチャンスだって事分かるハズで。仕組み的にも技術的にもかなり簡単に出来るようになってきているのに、それが簡単に出来るのをわくわくして待ってる僕らから、音楽を遠ざけるような画策ばっかりしてるから、それこそ「音楽をリスペクトしてない」と消費者から思われちゃうわけで。
でも最後には、
技術はあくまで中立ですから、今日の「音楽配信」ブームをそのためのチャンスに読み替えることは十分できます。またタイミングとしても、今はまだ手遅れではないのです
と書かれていますから結論的には賛成ですが、筋道がちょっと違うよなぁ。。。
by CAB at 04/02/16 02:34
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Comments

娯楽とかコミュニケーションメディアが多様化してて、例えば携帯でメッセージングなんていうコミュニケーション方法はここ数年でやっと誰でもできるようになってきてて、実際結構楽しかったりするわけで、昔は電車に乗れば大抵の若ぇ連中はウォークマンのヘッドホンしてたわけですけど、今は1/3ぐらいかなぁと思いますね。残りは携帯でメール見たり書いたり。中にはゲームボーイやってる奴らもいるし(中には歩きながらやってるツワモノもいますね ^^)

そんなわけで、人間の数も時間も有限で他に楽しいこと増えたらシェアは減るわけで、その辺が音楽の売り上げ減少の根本にあるかなぁと思います。もちろん、CD-Rへのコピーもあるでしょうけど。

あと、メディアの多様化も影響してるでしょうけど、情報の消費スピードが速くなってるのもありますよね。残忍な事件や、アホな学歴詐称事件とか数週間で忘れ去られたりしてるわけで。常に新しい刺激を求めるような志向が視聴率を気にするマスメディアによって刷り込まれてるんじゃないかと思います(こんなサイトを立ち上げてる私なんか最たるものかもしれません)。

で、残り少ない音楽ファンにしても、きっと音楽への思い入れは、自分の好みと作品の出来やプロモーションとの兼ね合いで、多種多様なんじゃないかと思います。
A)CMやドラマで聞いた曲のサビだけ聴けりゃいい
 →着ウタで十分
B)アルバム欲しいけど金出すほどじゃないでしょ
 →CD-Rで友達に焼いてもらおう
C)アルバム欲しいよ、ジャケも欲しいよ、ライナーも読みたいよ、でもCDプレーヤだけで聴ければいいよ
 →CCCDでOK(でもそんな人少なそうでしょ?)
D)アルバム欲しいよ、買ったらMDやMP3プレーヤーでも聴きたいよ
 →CDじゃなきゃだめ
E)かっこいい曲を発見したらアルバム買って友達にも聴かせたいよ(リスナー間のコミュニケーションツールとしての音楽)
 →CDじゃなきゃだめ
F)買ったアルバムをネタにDJしたりリミックス作りたいよ(二次創作)
 →CDでもだめなこともあるんじゃ?
G)やっぱアルバムじゃダメだ、生音がいい
 →そう思ったらライブへ

と、使い方も多様化してるかなと。
CCCDのターゲットはB)なんだけど、当然CCCDは他のもうちょっと熱心なファンの要望に応えるものじゃないんで、反感を買ってるわけで。でもいわゆる浮動層って感じのB)の層が元々売り上げの大部分を占めてたからやっかいなんでしょうね。
B)を相手にしたいなら、CCCDとCDの両方でリリースしてCCCDは値下げしたらいいと思うんだけどなぁ、思いっきり。CDは今までの値段で売ればいいでしょ?(それでも日本盤は高いけどね)音のいい方が欲しい人は多少高くてもエラーの無いほうを選ぶだろうし。
(事実そういう洋楽ファンは、おまけのついた日本先行発売の邦盤CCCDを我慢して、US盤がレコ屋に並んでから買ったりしてるわけで)

なんかつらつらと思ったことを並べたんでまとまりなくてすみません。こんなことを思いましたということで。

by cab on 04/02/21 01:57

>うーん、残念ながら一部を除く殆どのリスナーの本音だと思います。

それが音楽ファンを代表する意見だとすれば、CCCDがあろうがなかろうが、今後は「音楽」という文化自体が衰退して行くしかないでしょうね。使い捨てのアクセサリー程度のものでしかないわけだから…残念ですが。私が学生の頃は1枚のレコードをすり切れるまで聴いて、音が悪くなってまた新しく同じのを買ったりしたもんですが…音楽っていつの間にその程度のものに成り下がってしまったのかな…。

この調子だと、今後もユーザー対音楽業界のCCCDを巡る泥仕合がずーっと続くのかなあ…虚しい。

by 金子譲@子龍 on 04/02/19 17:48

>リスぺクトとかアーティストの姿なんかは作り手のエゴなだけでどうでもいいですが、

うーん、残念ながら一部を除く殆どのリスナーの本音だと思います。。だからCCCDとかは仕方が無いとは思いますね。
ただこのようなリスナーが逆にプロテクトかけたからといって買うかどうかも疑問ですが。。ちょっとでも「不便だ」と思ったらこの手のユーザーは簡単に購買意欲を失うと思います。。。
CCCDは日本のレコード会社/ミュージシャンにとって両刃の剣です。

by maqui on 04/02/19 13:25

→maquiさん
>リスぺクトとかアーティストの姿なんかは作り手のエゴなだけでどうでもいいですが、

「音楽作品を手に入れる時は、違法コピーせずにちゃんと対価を払ってください。そうでないと、あなたの敬愛するミュージシャンは活動を継続出来なくなってしまいますよ」ってことが、ここでいう「リスペクト」の意味だと思いますが。それすらも「作り手のエゴ」なんでしょうかねえ?CCCDに反対するユーザーの人たちはだいたいそう思ってるのでしょうか?そんなことを言われてしまったら、現状の仕組みの中では私たちミュージシャンは失業するしかないです。

するとレコード会社も「やっぱりコピーさせないようにCCCDを作るしかない」ってところに話が戻っちゃうと思いますが。みんながモラルを守り、ファイル交換ソフトなどを使った違法コピーがこれほど蔓延しなければ、そもそもCCCDなんて作る必要がなかったということも、ユーザーの皆さんにはちゃんと考えて欲しいですね。

by 金子譲@子龍 on 04/02/18 12:14

引用記事の、コピーして交換して溜め込んでヘッドホンで聴いてるだけで音楽を理解したと思うな、というのは同意しますね。リスぺクトとかアーティストの姿なんかは作り手のエゴなだけでどうでもいいですが、音楽はただ聴くだけのものじゃないって意味で。
ただCDや電子機器中心になってしまった自分の世代以降の人たちに対して「デジタルは本当の音じゃない」といっても悪い冗談でしかないですねえ。。
>「音楽」は「環境」や「空間」の中に存在するものでした。その「環境」や「空間」こそが、“生み出す者”と“享受する者”が共有するコミュニティを支えてきたのだ
ここらへんが、次世代の音楽業界のビジネスモデルを考えるキーワードになるかなと。
自分は空間の面から音楽を支援していきたいです。
そういや最近MP3かアナログレコードしか聴いてないっすねえ。。

by maqui on 04/02/17 14:58

なるほど、分りました。私もユーザーの利便性を無視したCCCDには反対の立場を取っていますが、一応音楽を生業とする端くれとして、ネット上に蔓延する違法コピーに対して全く何の制限もなくて良いとも思えないので、何らかの制限を加えることはやむを得ないだろうと考えていました。

しかし、もっといいのは「コピーを制限しなくてもプロミュージシャンとして生活出来る」ことだと思います。理想的には、たとえネット上にMP3が山ほどばら撒かれても、ちゃんと作者に利益を還元する方法…そんなビジネスモデルがもし見つかれば、こんな素晴らしいことはないと思います。

ですから、cabさんの試みがそうした理想につながるのなら、是非是非がんばって成功させてください。私は音楽は作れても「音楽ビジネス」のことはさっぱりなので、どなたかが今までの「著作権」の概念をひっくり返す画期的なビジネスモデルを提示してくれれば…と密かに期待してます。ご成功をお祈りいたします。

by 金子譲@子龍 on 04/02/17 01:20

素敵な宇宙船地球号のテーマは耳に聞き覚えありました。ここをご覧頂いてるなんて恐縮です。

まず、上記の自分のエントリーですが、原盤権者とパッケージ産業をいっしょくたにしてます。
あと、上記エントリーの引用元の記事ですが、元々CCCDの話題から話が展開しているので、いわゆる「カジュアルコピー」が本来の論点だと思われるのですが、話の流れを見るとコピーとサンプリングという言葉で象徴されるクラブミュージックやそれを聞く人々やそれを作る人(=シンボル?)に話が及んでいるように捉えられたので、それも音楽の新しい楽しみ方や使われ方ではないかと思って書いております。

そして、肝心のご質問への回答ですが、自分の本業の方でもしかするとビジネスとして関わる可能性があるため、この場であまり具体的な事は書けません。
ただ、デジタル化やネットワークの発展がこういうコンテンツに新たな場や路をもたらしているとは思っていて、コンテンツを持っている版元はユーザの使い方に応じた適正な価格を与えることで、十分商売になると思っています。

歯切れの悪い回答で申し訳ありませんが、この程度でお許しください。

by cab on 04/02/16 23:49

初めまして。いつも拝見させてもらってます。
一応ミュージシャンやってる金子と申します。

「音楽の楽しみ方や使われ方が『コピーとサンプリング』の方向に拡大して来ているのが、既存のパッケージ産業にとってもビジネス拡大のチャンス」って、具体的にはどうやるんでしょうか?考えてみたけど、分りませんでした(^^;)。ちょっと興味を惹かれたもので、教えていただけませんか。

by 金子譲@子龍 on 04/02/16 11:17
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