ひどい根拠で著作権法は改正されようとしている〜5/28の文部科学委員会のまとめ
今日の文部科学委員会(輸入CD規制問題)(TUNEs)←
d.e.plus
審議見終わりました(ぽいずん)←
facethemusic
5月28日の文部科学委員会の様子、途中で寝ちゃったので2ループ目でほぼ見終わったんですけど、各議員いい攻めをしてましたね。
衆議院ビデオライブラリ→5/28→文部科学委員会 と選ぶと見ることができます。
午後の審議の後半はかなりの見モノですので、お時間のある方はゼヒ見ておくべきです。根拠の薄い調査データの組み合わせで還流量や将来の予測が行われており、検証されていないままその予測を元に著作権法の改正が行われようとしているということが、よーーーく分かります。
上記のTUNEsさんのページで、本日明らかになった点が箇条書きでまとめられていますし、
ぽいずんさんのページではその調査根拠がどれだけいいかげんだったのかにふれられていますので参照してください。非常に気になるポイント
- レコード輸入を制限する法制度を65ヶ国が導入していると説明しているが、実質有効なのは2国
- 今回の還流防止措置導入の根拠として、他の国での導入例がレコード輸入権に相当する法制度の導入国で説明されているのですが、これが65ヶ国あります。パッケージが頒布(平たく言うと販売)されたときに、どの範囲で頒布の権利が消えるのかという点に関して、国によって考え方が違っています。(ここ参照)日本は「国際消尽」という立場で、どこかの1国で販売された1商品はその時点で国際的に権利が消費されたと考えるという立場です。
しかし、EU、EEA加盟国18ヶ国は「域内消尽」で日本とは考え方が違う。また日本と同様の「国際消尽」を採用していて輸入制限の法制度がある国のうち、多くはレコード産業が発展していないために輸入制限は無意味。日本と同じ考え方で実質レコード産業が発展している国はアメリカとカナダの2ヶ国のみということです。(「カナダは書籍だけ!」という野次もあったらしいので、実質アメリカのみという話もあります。)EUを入れても3つ。
- 「還流CDが68万枚」の根拠資料はレコード協会全国調査室室長が調べたもの
- 「還流CDが68万枚」の根拠資料は日本レコード協会が株式会社文化科学研究所(前身:ぴあ総合研究所)に調査依頼したものだそうです。しかもその調査を行った調査員はレコード協会全国調査室室長だったそうです。要するに、レコード協会にとっては身内のメンバーが行った調査に基づいており、著しく公正さが欠如している事が大いに懸念されます。
- 「還流CDが68万枚」は一般CD店の「平均回転数」で計算されている
- 総店舗数×取扱い率×1店平均陳列量×在庫回転数
という計算に基づいて68万枚は求められているのですが、ディスカウントストアで売られている還流盤の流通量なのに、上の式の「在庫回転数」が一般のCDショップの平均値を使って計算されているとのこと。実際のところ、68万枚よりも多いのか少ないのか分かりようのない部分ですが、在庫の回転はやっぱしCDショップとディスカウントストアでは違うんじゃないかと思いますね。
とまぁ、輸入規制導入の根拠となっている資料や数値がひどくいい加減で、レコード業界に有利になるように作製された可能性が高く、公平性を欠いているという事が、衆議院で明らかになりました。こんな資料をベースに法律が出来ようとしているってのは情けないし、恐ろしいよなぁ。立法に関わる人達は、僕らのような庶民にない強い権力を持っている訳なんだから、本当に真摯に慎重に対応して欲しい。
その他、この委員会について触れているページ:
輸入権:衆議院での審議スタート(MAL Antenna)
THE JAP HARDCORE PUNK HOMEPAGE
ただいま午後の審議中(ふっかつ!れしのお探しモノげっき)
昨日の質疑を健忘録用に再度まとめ(ふっかつ!れしのお探しモノげっき)
本日の審議が終了しました(facethemusic)
昨日の衆議院文部科学委員会(Discaholic Funkyjedi)
衆議院文部科学委員会紛糾(造反有理)★私家版議事録有り★
衆議院文部科学委員会 その1〜5(Copy & Copyright Diary) 一番下の「パブリックコメントについて」も読むべし
by CAB at 04/05/29 09:00