November 26, 2004

「JASRACが権利侵害」のミスリード

blogmapを見てたら「JASRACが権利侵害(no audience.)」というblogエントリーが多くのページから参照されていたのですが、一部ミスリードされうる部分があるので、指摘しておきます。

本エントリーは勘違いしやすい部分を指摘し、ミスリードをなくすのが目的で、あり、JASRACやAVEX、CCCDを支援する事が目的ではありません。
2.自分の著作物を流した人に誤課金
これは自分自身の体験じゃないけど、やっぱりVoの実体験。Voが舞台で流す曲を自分で作曲して自分で流したそうである。その曲はJASRACに登録はしていないが、紛れもなくVoが自分で作った曲である。ところが後日、JASRACから「その楽曲に対して使用料を払え」と言ってきたそうである。一体どうしたら自分の曲の使用料を払えなどという異常な間違いが起こるのか?やはりここでも権利や人格を軽視している。
まず、JASRACに信託しているプロのアーティストも自分のコンサートで歌う楽曲が自分の作詞作曲であっても使用料をJASRACに支払っています。(手数料分を引かれて最終的に自分に戻ってきますけど)

そして、著作権信託契約とは(JASRAC)を見ていただけると分かると思うのですが、JASRACに例えば作曲者として登録した場合、この著作権信託契約を結ぶことになります。このページの○数字の1〜11のような区分で一部をJASRAC以外の業者に管理を委託したり、自分で管理することが出来ます。但し、JASRACにその部分を信託した場合、曲ごとに信託する/しないを別々に扱う事はできません
この場合、Vo氏は暗に著作権信託契約を結んでいるように読めます。その中で1の演奏権等もJASRACに信託されているのであれば、曲自体をJASRACに対して未登録であったとしても、他の事業者に管理委託する事はできないので、結局どの曲もJASRACの管理範囲になるというのがJASRACの考え方なのだと思います。

これを逃れるには、(A)JASRACに対して著作権信託契約を行わない(すなわちJASRACと縁を切る)か、(B)演奏権等をJASRACに対して信託しない という選択しかありません。(B)の場合で他の業者にも委託をしない場合、どこかでVo氏の曲が演奏されてもそれに対する集金は行われません。

次はエイベックスだ。avexサイトQ&Aによると、「CCCDは音質は劣化しない」と断言している。しかし、実際の検証結果では、PCなどでの再生時、表示には44.1kHz(=CD音質)と出るが、実際には22.05kHz、しかも8bit(CDは16bit)で再生されているというのだ。これは普通のカセットテープに等しい音質である。avexは詐欺だ!
これは、C堂さんが記述されているAV Watchの記事「コピーコントロールを検証する 〜コピーコントロールは、プロテクトたりえるか〜」からの引用:
>これをWindowsマシンにセットしてみた。すると、すぐにインストール画面が起動し、自動的にソフトのインストールをはじめる。このCDはエクストラCDとなっており、CD-ROM部分が自動的に起動するとともに、インストーラが実行される。インストール作業自体は1分もかからず終了し、すぐにプレーヤーが起動。演奏がスタートする。
>聞いてみると明らかに音質がひどい。なんとなくカセットテープを聞いているような感じでホワイトノイズがまざっているように思える。まあ、普通のパソコンに付属のおまけスピーカーで聞いていれば、あまりわからないかもしれないが、多少なりともお金を出して買ったスピーカーであれば、誰でもはっきりとわかりるほど悪い音質である。
>実は、プレーヤーの表示上は44.1kHzとかかれているものの、実際には22.05kHzでしかも8bitという形で再生されていた。なるほど音質も悪いはず。やはり安いカセットテープレベルの音質であったわけだ。
が根拠になっているのではないでしょうか。この部分は、2ch等でもこの部分だけを抜き出して引用された事があるので、間違いやすいので元の記事を参照してください。

初期のCDS200を採用したCCCDにおいて、CD-ROM部分に格納された圧縮音源を再生するプレーヤーが22.05kHz,8bitで再生をしていただけであり、CD-DA部分は44.1kHz,16bitで格納されています。元記事でもメディアプレーヤを使うと(特定のドライブがあれば)普通に再生されると書いてあります。
というわけで、CCCDはすべからく22.05kHz,8bitで再生されるというわけではありません。

以上、勘違いしやすいポイントの指摘でした。
私の解釈に間違いがあれば御指摘下さい。
by CAB at 04/11/26 02:49
Post a comment
※非公開です

Comments

あ逆、

左Q8がcabさん考え裏づけで、右Q2-2がno-audienceさん考え裏づけ、ですね。

by コマプ墨田 on 04/11/27 14:52

cabさん

JASRACサイトのこのページに、左右二列の項目があって、それぞれにQ&Aコーナーがあります。

http://www.jasrac.or.jp/contract/index.html

左Q&AのQ8にはno-audienceさんの考え、右Q&AのQ2-2にはcabさんの考えを、それぞれ別個に裏付けるJASRAC見解が載ってるんですよ。

この問題、JASRAC自身、ほぼ矛盾してるので、情報が錯綜するのは当然です。

「ほぼ矛盾」というのは、JASRAC側としては、届けをすれば支払わなくてよいが、無届だと支払ってもらう、ということでしょうから、そう言われれば、まあそうなわけです(爆。

by コマプ墨田 on 04/11/27 14:44

しがやさん、お気持ちはとても分かります。
改善していくためにも、正しい状況把握が必要と考えている次第です。

by cab on 04/11/26 17:04

情報ありがとうございます。

|(管理の留保又は制限)
|第11条委託者(音楽出版者を除く。)は、第3条第1項、
|第4条、第5条及び第10条の規定により定める信託著作権
|の管理委託の範囲について、あらかじめ受託者の承諾を得て、
|次の各号に掲げる留保又は制限をすることができる。
|(1) 委託者が、著作物の関係権利者全員の同意を得て、そ
|の利用の開発を図るため、日本国内において、著作物(前条
|第2号の規定により音楽出版者に譲渡した著作物
を含む。)
|を自ら使用すること。ただし、委託者が、著作物の提示につ
|き対価を得るときは、この限りでない。

という奴ですかね。

・権利者全てに承諾を得て、
・演奏に伴った対価を得ず、
・事前にJASRACに申し出ておけば
大丈夫ということかな。

by cab on 04/11/26 17:02

TB&間違いのご指摘ありがとうございます。
JASRACに関しては、後から他にTB頂いたサイトなどを見ていると、どうも色々議論があるようで、どれが正しいのか良く分からない点も多いので、もし正確に理解することがあれば、また書こうと思っています。
CCCDに関してCD-DAと圧縮音源の別の記述不足や古いデータをそのまま使ってしまっていたようですね。

ただデフォのソフトで少なからず音質劣化した音源しか聴けなかったり、カーオーディオ等がぶっ壊れるのは、正規に購入する者としてはやっぱり納得いかないですね、iPodや車でよく音楽聴きますし…。

#アクセスが急に増えたのはblogmapからだったんですね。

by しがや on 04/11/26 17:00

http://blog.livedoor.jp/jasrac1/archives/6854098.html
いろいろ条件はあるようですが。

by 趣味の問題2 on 04/11/26 03:27
Bulkfeedsで似た記事を検索
Powered by
Movable Type 2.661