June 16, 2005

Fuse-In : Detroit’s Electronic Movementレポート(1/2)

Nowonmediaの友人、TAKA TSUTSUMI氏から、5月28〜30日にデトロイトで行われたFuse-Inのレポートを頂きました。携帯で撮ったらしいですが、なかなか貴重な写真もあっていいレポートです。

彼はデトロイト・テクノに関してnowondvdにて「テクノ・ミュージックの発展を探る」という特集ページも書いている。

また、このFuse-Inの模様を収録したDVDも8月にリリースされる予定らしい(というわけで微妙にタイアップ企画なワケですが)ので、お楽しみに!

レポート後編はこちら

Fuse-In : Detroit’s Electronic Movement May28th, 29th & 30th 2005

2000年から開催されているテクノが誕生した街、ミシガン州デトロイトのエレクトロニック・ミュージックフェスティバルに5月28日(土)から祝日の月曜日までの3日間、初参戦してきた。


(写真1 前日準備中の会場)
このフェスティバルは当初Detroit Electronic Music Festival (DEMF)という名称でスタートし、2003〜2004年はデリック・メイがオーガナイザーとなり、「Movement」と名称が変えられ、今年はケヴィン・サンダーソンが引き継ぎ「Fuse-In: Detroit’s Electronic Movement」という新たな名称で開催された。名称が大きく変わってきているのは、このフェスティバルはその発展の上で様々な問題に直面し、時に政治的問題、時に予算やスポンサー不足による赤字経営などが理由で、フェスティバルの経営の団体が大きく変わっている為だ。


(写真2 Fuse-Inの幕がはられたメインステージのスピーカー)
今年の代表であるケヴィン・サンダーソンは、メルヴィレ・スリーとして知られるデトロイトテクノのパイオニアの一人であり、80年代から最も商業的に成功していたDJ/プロデューサー。彼がフェスティバルの為に作った会社MusicLogicalが運営にあたった。そして、ケヴィンを支えたのが、先日の恵比寿Liquidroomの来日のライブも記憶に新しいURとElectrofunkのメンバーが中心となって運営している流通会社Submergeの面々。特にミスター・ディーは実務的な責任者としてフェスティバルの中での様々な所で気を配らせ、忙しく働いていた。また多くのボランティアがこのフェスティバルの様々な所で働いていた。


(写真3 ケヴィン・サンダーソン)
仕事の関係でフェスティバルの撮影クルー/DVD物販のクルーの一員として入れてもらい、基本的にメインステージを中心に、フェスティバル会場の様々な場所にアクセスし、フェスティバルの舞台裏まで楽しんできた。

会場:ハートプラザ
会場はデトロイトのダウンタウンの端に位置する公園、ハートプラザ。モーターシティにふさわしく、GMの本社のビルの隣、そして国際モーターショーがおこなわれるコンベンションセンターの間に広がる広大な公園。川に面したこの公園からは、リッチー・ホーティンの出身地としても知られるカナダの都市ウィンザーを対岸に見据える絶好のロケーションだ。


写真4 ハートプラザ中央の噴水
この公園の端に位置する円形の野外シアターにメインステージが立てられ、このステージを中心に、川沿いのウオーターフロント・ステージ、公園の地下の通路脇の広場に作られたアンダーグラウンド・ステージ、そしてメイン・ステージから少し歩いた所に巨大テントによって作られたミュージックロジカル・ステージの計4ステージ、合計130にも及ぶDJ/ライブアクトが昼の12時から夜の12時まで、3日間連続で行われた。


(写真5 メインステージ)

(写真6 ウオーターフロントDJ ブース)

(写真7 ウオーターフロント・ライブ ステージ)

(写真8 アンダーグラウンド・ステージ)
今年の最大の目玉はデトロイト・テクノのオリジネーター、ホアン・アトキンスのユニットModel 500のライブそして、最終日のURの地元デトロイトでの15年振りのライブ。日本でも人気のリッチー・ホーティン、マーコ・カローラ、ヒップホップにいたっては近年ハリウッドで役者としても活躍するモス・デフなど数え上げたらきりがない。数多くのアクトが参加しているだけあって、全てを体験するのは到底不可能。目的とするいくつかのアーティストのラインナップをチェックしながら、会場を走りまわるのも良いが、開放的な空気とゆっくりとした時間の中で、何気なく訪れたブースで気に入ったアーティストに出会えるのもフェスならでは醍醐味である。そんな自分が会場で体験したアーティスト達を時間軸を追ってリポートしていきたい。


日付別 体験レポ

DAY 1 THE BEGINNING 5月28日(土)

この日は撮影班の手伝いとして11時半に会場入り、昼食を済ませた後、TVスポット用にケヴィン・サンダーソンのインタビュー撮影、その後ステージのカメラクルーのアシスタントに。その後は解放されて、自由にステージ上でDJ/ライブを楽しんできた。

Mike Huckaby 18:00 – 19:00 Fuse-In Main Stage

(写真9 & 10 Mike Huckaby & カメラマン)
撮影助手としてステージ上に入る。デトロイトらしい比較的早いテクノ&ミニマルのセット。

Minx & Genesis 19:00 – 20:00 Fuse-In Main Stage

(写真11& 12 Minx & Genesis&パーカッションライブ)
デトロイトの老舗ハウス・レーベルWoman On Waxの姉御、DJ MinxとDJ Genesisの温かいハウスセットにパーカッションのによる生演奏を交えてのステージ。夕日に照らされたハートプラザを、女性らしい優しさに包まれたハウスセットで会場を包みこんでいました。

Fabrice Lig 20:00-21:00 Fuse-In Main Stage

(写真13 Fabrice Lig)
Mad Mikeにやられてしまった(らしい)スェーデン人ミニマルDJ。後半にかけてやたら盛り上がるセットを披露。時間をオーバーして舞台裏ではちょっとみんな焦ってました(笑)。

Aril Brikha 21:00-22:00 Fuse-In Main Stage

(写真14 Aril Brikha)
Transmatからの作品で知られる、アラブ系のスエーデン人。Ableton Liveを使い、コンピューターでループ音を組み合わせながら、Nordのモジューラーをいじってエフェクトをかけているライブでした。最初の20分ぐらいで、なんとなく満足したので退散。
(結構テクノのライブって、アルバム聴くのとあまり変わらなかったりするんで。。。)
Quentin Harris 20:00-22:00 Watefront Stage

(写真15&16 Quentin Harrisとブースわきで遊んでいた子供)
対岸のウィンザーの夜景を眺めながら、素晴らしいプログレッシヴよりのディープ・ハウスセット、自分の中で今回のFuse-Inの一番の発見。DJをする脇には(多分)息子達が遊んでいて、お父さんのDJセットを楽しそうに聞きながら遊んでいました。
ウォーターフロント・ステージは他のステージよりは、みんなの憩いのステージで、みんな腰掛けてご飯食べたり、対岸を眺めたりしながら楽しんでいました。そんな中でもQuentinのセットが終わるとみんな思わず拍手がおきました。あー音楽って良いなって思える瞬間。

Electrofunk 23:00-24:00 Waterfront Stage

(写真17  ElectrofunkのMr.De おつかれさまです)
日本にも来日したSubmerge軍団のMr. Deを筆頭とするライブバンド。日本で見ていたから、特に見ようと思っていなかったんだけど、一日中会場のあちらこちらで、Mr. Deが走りまわってオーガナイズの雑務をやってがんばっていたので、応援したくなって見てきました。
相変わらずファンキーなライブ。ちなみに最前列はバンドの家族や子供達で ノリノリ!アットホームな感じで、お父さん達も演奏が熱くなっていました。

23:00-24:00 James Pennington Fuse-In Main Stage

(写真18&19 James Pennington)
URのメンバーの中でもDJとして長いキャリアを誇るサーバン・ナイトことJames PenningtonのUR節炸裂のDJ セット。初日のトリに相応しい力強いテクノセット。最後は名曲“Return Of The Dragon”。「URここにあり」とデトロイトにメッセージを発信しているようかの、完璧なセット!

TEXT BY TAKA TSUTSUMI

(2/2)へ続く

by CAB at 05/06/16 23:36
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