11/16:ビート経文:テリー・ライリーとビート詩人たち レポ
パシフィック・クロッシング2005 テリー・ライリー その魔法の響きに触れる
久しぶりのイベントレポートですが、
WAS:Takechanの情報より、
テリー・ライリー(Terry Riley)という現代音楽のミュージシャンのコンサートに11月17日に行ってきました。彼のページでも紹介している
このリンク先が詳しいですが、ミニマリズムの始祖であり、純正調に興味をもち、ビートニク世代にも多大な影響を与えた… と結構気になるキーワード多数。
「純正調」というと、以前JASRAC評議委員でおなじみの
玉木宏樹氏も演奏している調で、これ聴いたことなかったので、いっぺん聴いてみたかったのです。
しかも、テリー・ライリーは御年70歳という事で、次は無いのではないか?みたいな話もどこかで読んだので、こりゃ聴いとくべきだろう、と出かけてきました。
会場は
自由学園・明日館講堂。これまた、池袋の住宅街の中にぽつんとある建物ナンだけど、これが何と旧帝国ホテルの設計も行った
フランク・ロイド・ライトが設計した文化財なのだそうで。コンサートの行われた講堂は、遠藤新の設計だそうですけどね。
その講堂ですが、入ると全員着席でのコンサートでした。 根がロックとかクラブの私は全員着席のコンサートなんて初めてなもので、ちょっと緊張しましたが。
しかし、この講堂、音がいいのですよ。 特に生楽器が映える響き方が素晴らしくて、言い方を変えると、ホール全体が一つの楽器になっているような響きをしてました。一応エレクトリックなPAも入ってるんだけど、一切の破綻のないクリアなサウンドで、これは、PAのエンジニアさんもかなり優秀とみました。
演奏はテリーライリーと、デイビッド・タネンバウムっていう民俗音楽の名手とか呼ばれている方のセッションで、 途中から普通の律じゃない曲になってました。
パンフレットによると、7リミットの純正調律だったらしいです。
純正律の説明を簡単にすると、
普段僕らが聞くピアノなんかのチューニングの律は、「平均律」で1オクターブを平均的に間隔が同じくなるように12個(白鍵、黒鍵12個ね)で割って配置してます。
こちらあたりの説明が音もあって分かりやすいかと思います。
この平均律は、和音を出したときに、微妙に綺麗な音にならんのだね。それに対して、和音が綺麗になるように、周波数が何倍か・何分の一かという点に留意してチューニングしたのが純正律で、しかも7リミットというのは詳しく分からないんだけど、かなり独特らしいです。 (どなたか参考になるリンク先知ってたら教えてください。)
というわけで、純正調律の曲を聴くと、始めは普段聞いているチューニングと違うから「チューニングずれている」ように聞こえるのですわ。
きたーこれか〜純正律!! と思って違和感を覚えつつも、音の方に集中するように目を閉じて聴き入ります。 そうすると、そのうち耳が慣れてきて、しかも和音の綺麗さが分かってくると、違和感が無くなってきます。まさに不思議。
数曲聴いて、最後の曲は雅楽の笙(しょう)や琴(こと)や太鼓との共演。これもなかなか面白かったんだけど、正直、前半太鼓系のパーカッション担当の人がちょっと走りすぎていいグルーブがなかなか出来なくて、聴いててあれっ!?と滑る事が多かった。です。でも、後半は結構いいグルーブが出てたかなと思います。
というわけで、なかなか面白い体験をさせていただきました。
他に音楽系ライターの
山尾敦史氏のBlog:山尾好奇堂や、
af_blogさんにもレポートがあります。
テリー・ライリーのページで、real audioで彼の演奏を聴く事もできますので、興味を持った方はぜひ。
by CAB at 05/11/22 02:17