November 09, 2006

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議

クリエイターら、著作権保護期間延長の議論を呼びかける国民会議発足(InternetWatch)

コレを書きたくて今日は更新したんです。InternetWatchの記事が一番丁寧なので、ぜひ読んでください。

9月に権利者団体が著作権保護期間の延長を求める要望書を文化庁に提出(ITmedia)なんていう、相変わらずいやらしい記事が出ていたのですが、今回の記事は、「そんなに安易に著作権保護期間を延長するなよ、良く考えてくれ」という要望を別の団体が発足して要望したというニュースです。

この団体「著作権保護機関の延長問題を考える国民会議」、音楽配信メモの津田さんや、著作権を専門とする弁護士である福井建策氏、皆さん良く見かけるであろうライターの小寺信良さん、それにクリエイティブコモンズの立役者であるローレンス・レッシグ教授、「音楽CDの輸入権問題」のときに活躍してくださった高橋健太郎氏、評論家の山形浩生氏、劇作家の別役実氏ら64名が名を連ねています。

中でも筆頭に意見が取り上げられている別役実氏の『「銀河鉄道の夜」を戯曲にしたくて、許可を求めていたがなかなか許可を得られなかった。死後50年の保護期間が切れて許諾なしで使えることになり、最初はアニメのシナリオだったが、関連の戯曲も何作か書くことができた。』という話が興味深い。
真相は知りませんが、これは保護機関の延長を求めている権利者団体の宣伝塔的役割を松本零士氏が果たしていることに対する明らかなカウンターパーソンとして、別役実氏が人選されたんじゃないのでしょうか。何せ松本氏の代表作には「銀河鉄道の夜」からインスパイアされたとしか考えられない「銀河鉄道999」がありますからね。

ITmediaの両者の記事:
「著作権保護期間の延長を」――権利者団体が要望書 ネット時代も意識
「著作権保護期間の延長、議論を尽くせ」――クリエイターや弁護士が団体発足
を見比べてみるのも面白いです。

個人的には、一律作家死亡から50年とか70年とか決めずに、作家が作品を公表したときに保護期間も決めたらイイんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?? 但し、保護には人手も手間もかかるので、保護期間の長さに応じた保護費用を支払う。で、またそれを管理する天下り団体を作るとかね。

by CAB at 06/11/09 03:50
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Comments

松本零士氏は、他者の権利にもちゃんと配慮している方です。
「インスパイア」と言うような適当なポジションではなく、「銀河鉄道の夜」の宮沢賢治の実弟で実質的に彼の著作物の管理をしていた宮沢清六氏に許諾申請をし、協力者として清六氏の名前も明記しています。
こちらは記憶頼みですが、機関車の絵を使う関係から、JRにも利用申請しているはずです。
彼の主張には反対ですが、彼は、現在の法に則ったやり方をして、彼自身の著作物を魅力あるものにする方法を取っており、1つの主張として尊重すべきものではあると思います。
利用許諾を得られなかったことを問題に、延長の問題を考えるのは変で、やはり、そこは、何故、許諾を得られなかったのかを、まずは考えるべきでしょう。
また、最近の中国の動きなども考えれば、著作権が切れたからと言って、なんでも自由にできるような時代ではないのも事実で、利用者側の権利者や著作物への明らかな軽視、権利主張に対する侮蔑のような行為が、権利者側の態度を硬化させている可能性についても、もっと検討すべきだろうと考えています。

by なす on 06/12/17 22:19
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