June 16, 2004

重DRMのiTunes Music Storeならオープンしないほうがマシ

★アンケート:日本版iTunes Music StoreがMora並みの制限でもオープンするべきか★
アンケートは終了しました。結果を掲載しました。

(※041112追記:MoraはiTMS並の軽DRM設定も可能になりました。)

日本の音楽配信サービスの著作権管理を検証(AV Watch)
藤本健氏による、国内音楽配信サービスやDRMの使い勝手の比較。比較内容は記事を参照して頂くとして、一番気になったのは最後の所:
近い将来アップルが国内でもiTunes Music Storeをオープンさせることは確実視されているが、現在米国で行なっているDRMのままでは上陸はできない模様だ。というのも、国内の各レーベルから、「国内の著作権法や日本レコード協会のポリシーと照らし合わせると、Fairplayの制限ではゆるすぎて、楽曲データを提供不可能」という声を聞くからだ。

楽曲データが提供されなければオープンする意味はなくなってしまうので、サービスをスタートさせるには国内の各レーベルか、アップルのどちらかが妥協する必要がある。おそらく、iTunes Music Storeが日本でオープンし、サービスやアプリケーション名が同じでも、制限が厳しくなってしまう可能性が残念ながら非常に高いといわざるを得ない。
以下全く私見ですが、国内既存の配信サービスと同程度の制限の多い重DRMを採用した iTunes Music Store(以下 iTMS)って存在意義ありますかね? 僕は、そんなところに甘んじたiTMSならオープンしない方がまだマシだと思いますけど。

(アンケートの結果を掲載しました。)

Appleは今自分たちが売り物にしているものが、何なのかしっかりと考えるべきです。おりしも先日CNETに掲載された、Macintoshの初期開発メンバーの一人、ビル・アトキンソンのインタビュー記事でも書かれている通り、
今、Appleやスティーブが焦点を当てているのはまさにその点だ。コンピュータが人々にとって、一体何の役に立つのか。(ハードディスクが)何Gバイトになったとか、そんなことはどうだっていい。重要なのは、それで何ができるかということだ。

重要なのは、人々にリーチし、彼らの生活をよりよいものにすることだ。スティーブは正しいことをしていると思う。
 Appleは今、本当に革新的な製品を生み出している。これはとても興奮するね。かつて、Appleはまったく革新的な製品を出さないときがあった。Appleの経営陣は誰もそんなことを考えてなかったんだ。スティーブが戻ってきて本当に嬉しいよ。Appleに革新性が戻ってきた。
そう、今Appleが売っているものっていうのは、ユーザやクリエイターを支援して、技術でいままでよりも革新的で便利な世界を僕らに届けてくれる、そういう姿勢であって、そこに対する期待も含めてAppleの製品を選んでいるんだと思う。もしも制限の多い「重DRM」なiTMSを開始した場合、利の薄いコンテンツは多少売れるだろうけれども、「便利さを届けてくれなかった」事でブランドイメージが低下し製品の購買意欲も下がってしまうのではないかと思う。

それに例えば、ダウンロードした曲をCD-Rに焼く機能は米国のiTMSでは可能だけれども、国内の配信サービスでは許していない。これを禁止するために、日本版のiTunesからCD-R作成機能が省かれてしまうなんて事にもなりかねない。

これらを考えると、Appleジャパンが期待されていて、そしてやるべきなのは、どうしてでも米国並みの「軽DRM」でiTMSオープンにこぎつける事だけであって、「重DRM」で妥協したiTMSオープンなんてユーザにもAppleジャパン自身にも何らメリットが無いという事になる。

…と断定的に書いちゃったわけですが、iPodすら持っていない私がこんなこと書いても何ら説得力が無いと思いますし、とにかく日本版iTMSオープンを期待している方もいると思います。そこで、アンケートしてみようと思います。短かいですので、お手隙の方はぜひご協力を。
参考:Appleスティーブ・ジョブズCEO、「音楽」を語る(ITmedia)
追記:iTMSに関しては、アップルジャパンではなく、Apple本社が動いてるようだという話があります(←wms: musicbiz edition)。

040624追記:結果を掲載します:
皆さんありがとうございました。アンケートは243件の回答がありました。皆さん正直に回答してくださったようで、恐らく重複は無いと思います。トラックバックを頂いた方々の反応を見ると、特に国内配信サービスの殆ど対応していないMacユーザはiTMSを切望している方が多いようですね。でも、DRMがきつい制限の場合その価値が下がっちゃうという事で悩まれた方もいらっしゃるようです。結果は86%の方が、きついDRMならオープンしない方がいいという回答でした。
また、iTMSの特徴であるゆるいDRM制限のうち、5台までのPCにコピーできる機能は約23%の方が、CD-R作成機能は約17%の方が、iPodへの無制限コピー機能は約7%の方が妥協可能という事です。 PCを沢山所有している人は少ないという事かと思われます。
設問5に対しては、曲単価の上限として選択肢の中では150円が約39%で最多でした。また210円以下で約98%となり、Mora以上の値段だと殆どの方が不満足という事がわかりました。この曲単価の上限に関しては、Excelで分布グラフを作成して載せておきます。補完の曲線は参考までです。
設問 選択肢/票数/% 選択肢/票数/%
設問1 日本版iTunes Music StoreがMora等の国内音楽配信と同レベルの制限になった場合、それでもiTunes Music Storeは日本でオープンするべきでしょうか? オープンすべき きつい制限ならばオープンしない方がいい
34票 209票
13.99% 86.01%
設問2 日本版iTunes Music Storeで購入した曲が無制限にiPodにコピー可能なのは 必須 できなくてもいい
227票 16票
93.42% 6.58%
設問3 日本版iTunes Music Storeで購入した曲をCD-Rに焼ける機能(同じプレイリストで10回まで※)は 必須 できなくてもいい
202票 41票
83.13% 16.87%
設問4 日本版iTunes Music Storeで購入した曲を5台までのPCでコピーできる機能は 必須 できなくてもいい
186票 55票
77.18% 22.82%


設問 選択肢 票数
設問5 日本版iTunes Music Storeで購入する楽曲の1曲の値段の上限は? 未記入 1票 0.41%
いくらでもOK 2票 0.82%
350円(国内音楽配信開始当初の価格) 1票 0.41%
300円 2票 0.82%
270円(現在のMoraでの東芝EMIの曲の価格) 1票 0.41%
210円(現在のMoraの主流価格) 34票 13.93%
150円 95票 38.93%
110円(現在の1ドル程度) 77票 31.56%
99円(感覚的に99セント) 31票 12.70%
99円未満 0票 0.00%


設問5の分布図
分布図

※お詫び:最新のiTunesでは1つのプレイリストをCD-Rに焼くことができる回数は7回でした。(2004年7月3日追記)

アンケートに答えて頂いた皆さん、ご協力ありがとうございました。

by CAB at 04/06/16 14:25
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Comments

基本的に iTMS 熱望という点では同意見です
国内レコード&ハードメーカーが表裏で渋っているのは著作権よりも、もうやらざるを得なくなってしまっているDL販売の de facto をapple に渡したくない any musicでなんとかしたいという点にfocusしてくるのではと考えています

by 1_love on 04/06/21 21:57
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