【重要1】輸入禁止は4年でいいのか?:文化庁パブコメ募集
(締め切られました)
著作権法施行令の改正に関するパブリックコメント(意見提出手続)の実施について(文部科学省)
現在文化庁がいわゆる「CD輸入権」における輸入禁止期間を
4年にするという政令を出すという前提でパプリックコメント募集を行っています。
もっと短くしろという意見が少ない場合、万一CDに関して輸入禁止の判断がされると、そのCDは4年間輸入出来なくなるということです。レコード業界が組織票で7年禁止にしてしまうかもしれません。4年でも長すぎると思うのですが、皆さんどう思われますか? ぜひ文化庁あてにコメントを送ってやって下さい。
(※本件は締切日の日付でエントリーしています)
なお、この募集は以前エントリーした
10月に行われる予定の著作権法改正に関するパブリックコメント募集とはまた別のものだそうです。ということは、10月にもう一回パブリックコメントの募集があるという事のようです。
まず、書くときのコツですが:
- 結論を先に、明確に書きましょう
最後まで読まないとわからないような長い文章で書くと、本来言いたい事と別の意見として集計される場合があります。
昨年行われたパブコメ募集でも、間違って分類されていたというものがいくつもありました。
まず、賛成反対や禁止期間を何年・何ヶ月にするべきという結論を先に書いて、その後で説明をつけると良いでしょう。お役人達に勘違いさせるスキを作らないようにしましょう。
- まずは輸入禁止期間に関して書きましょう
文化庁は、輸入禁止対象になったCDを輸入禁止する期間を4年と定めるという所に論点を絞って、意見募集をしています。ですから、この点に関してはまずは意見を書きましょう。
募集ではこの期間は「政令で定める期間」と書いてありますので、この用語を使いましょう。
具体的に何ヶ月とか、何年とか書いてやるといいでしょう。
参考意見として、「北中正和氏、石川真一氏、高橋健太郎氏の三名が文化庁に伝えた要望事項」のにある「適用期間は権利者が適用を申請する時に、6ヶ月を越えない範囲で任意に指定できるものとする」というのが参考になります。この6ヶ月の根拠は、高橋氏がこちらとこちらで示しているように、邦楽ヒットアルバムは約2年の期間を見た場合、発売後の6ヶ月で売り上げの90%以上を達成しているという点です。また小倉弁護士もこちらでデータを挙げて期間に関する考察をされているので参考になります。
更に、こちらでも述べられている通り、既に輸入権を導入している香港では18ヶ月の期間輸入禁止としていますが、それでも音楽市場は衰退傾向を示しています。
また極端な例としては0年0日とするべきという意見も有り得ると思います。これは、今回の著作権法改正自体を無効にするべきという主張ともなり得ると思います。
- 禁止期間以外にも問題点があるので、出来たら書きましょう
- 4年以上前に発売されたCDまで、来年の1月1日から4年輸入禁止に出来てしまいます
上記文化庁のページの最後の(商業用レコードの輸入等についての経過措置)附則第三条を読むと分かるのですが、施行の来年1月1日の時点で既に発売されていて、かつ輸入禁止の要件を満たしていて、権利者が輸入禁止を主張した場合は施行の日から「政令で定める期間」(政令案のままだと4年)輸入禁止に出来てしまいます。すなわち、4年以上前に発売されたCDまで全てリセットされて来年1月1日から4年輸入できないことになります。これはおかしいですね。
- 廃盤になった場合は輸入禁止が解除されるべき
国内盤が廃盤になったにもかかわらず、いつまでも輸入禁止されたらそのレコードを入手することが全く出来なくなります。国内での生産や販売が中止となったレコードは即刻輸入禁止の対象外となるようにレコード会社に報告を義務付けるべきです。
- 知り合いにも協力を呼びかけよう
このCD輸入権は、邦盤の逆輸入を止める事を目的にしていますが、洋楽の並行輸入を止める事にも適用でき、万一海外の権利者がこの適用を主張した場合、これを止めることはできません。(もちろん、国内盤が販売されている事などの条件はあります。)
4年もの輸入禁止期間が適用されると、当初国内盤が出ているという理由で輸入盤が止められてしまうと、国内盤がカタログ落ちしても4年は入ってこない事になります。このような運用が行われると、多様な音楽に触れる機会が減り、ひいては国内の音楽文化の衰退につながりかねないと思っています。
このような問題意識を共有できそうな知り合いの方達にも声をかけ、コメント送付を呼びかけましょう。煙たがられる事もあるかもしれませんので、そこは皆さんの判断で。
The Trembling of a Leafさんや、試される。さんでフライヤーを配布しているのでこれを利用するのもいいと思います。
自分は下記のように書いて送ろうと思っています。本文例に関しては、そのままコピペして送ってもらっても構いませんし、自由に改変して送っていただいても構いません。でも、できれば御自分の言葉にして送ることが望ましいです。(送り先は
募集ページを参照)
〒100−8959東京都千代田区丸の内2−5−1
文化庁長官官房著作権課法規係御中
「著作権法施行令の改正に対する意見」
(1)氏名及び所属:○○○○(○○○○○○)
(2)住所及び電話番号:○○○○○○○○○○○○○○○
○○○−○○○−○○○○
(3)意見:
■「政令で定める期間」について
「政令で定める期間」は、最大でもレコードの発売開始から6ヶ月とし、権利者が適用を申請する時に、6ヶ月を越えない範囲で任意に指定できるものとするべき。また、施行日以前に発売されている当該レコードに関しては、発売開始した日を基点として6ヶ月を超えない期間とし、施行日よりも6ヶ月以上過去に発売開始されたレコードに関しては、「政令で定める期間」は0年0日とするべき。
また、レコードの発売開始から6ヶ月以内であっても、当該レコードの生産もしくは販売が中止された際には、その当該中止日をもってレコードの輸入禁止が解除されるべき。
高橋健太郎氏が、レコード販売店HMVのデータを基に下記URL:
http://blog.livedoor.jp/memorylab/archives/1503193.html
http://blog.livedoor.jp/memorylab/archives/7443616.html
で示しているように、邦楽アルバムは約2年の売り上げの内、90%以上を発売後の6ヶ月で達成しています。これは6ヶ月程度の輸入禁止を行えば還流盤による売り上げへの影響はほぼなくなる事を示しており、根拠のある値です。このため、輸入禁止を行う期間は最大でも6ヶ月とするべきです。
これに対して、レコード業界の主張により法案に盛り込まれた7年という期間や、本パブリックコメント募集の対象としている政令案において提示されている4年という期間は何の根拠も示されていません。
既に輸入権を導入している香港でも18ヶ月の期間しか輸入を禁止していませんが、18ヶ月の輸入禁止でも、香港の音楽市場は衰退傾向を示しています。これを考慮すると4年などという長期の輸入禁止はばかげています。
レコードの生産もしくは販売が中止された際には、その当該中止日をもってレコードの輸入禁止が解除されるべきですので、輸入禁止対象となっているレコードの生産と販売の実績をレコード会社は公開すべきです。
■商業用レコードの輸入等についての経過措置に関して
著作権法第113 条新第5項、附則第3 条は適用されないようにするべき。
著作権法第113 条新第5項、附則第3 条に関しては、本来当該レコードの発売開始から一定の期間禁止するべきであり、禁止期間を「当該施行の日」から起算する事には何ら合理的な根拠がありません。よって、「政令で定める期間」において、当該施行の日以前に発売されているレコードに関しては、発売開始日を起点として、当該施行日以降に発売されたレコードと同じ期間だけ輸入禁止となるよう定め、当該施行日より遡って当該期間以上の過去に発売を開始したレコードは輸入禁止できないようにするべき。
関連するエントリーなどに関しては、「
著作権法改正要望のパブリックコメントを提出する」サイトを参照してください。
このパブコメに関する結果の情報:
[041029]
やっぱり逆輸入CDの輸入規制期間は4年
[041103]
文化庁は「4年パブコメ」の結果発表で恥の上塗りしてないか?
※このエントリーは随時追加変更される可能性が高いです。
by CAB at 04/10/13 23:59