映像コンテンツと競争法
映像コンテンツと競争法(講演録) (本間忠良)
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著作権マニア
つい先日11月5日に明治大学法科大学院で行われた講演録。独占禁止法等の「競争法」の観点から映像コンテンツを中心とした著作権関連の契約や慣習の問題点が指摘されていてなかなか興味深いです。
TV番組のネットワーク配信に関しては、法制度の面でも、運用の面でも整備が遅れているそうで、このままだとTV番組をネット経由で見られるようになるのは、日本ではまだまだ先になりそうです。
強すぎる著作権(および隣接権)の適用が、コンテンツの流通を妨げているという話も参考になります。著作権の主張を制限する「フェアユース」の考えや、著作権の過度の主張を「ミスユース」として制限するべきという考えなどが特に参考になりますね。
(ちなみに、日本の著作権法にはフェアユースの考え方はありません。またミスユースの考えも著作権法にはありませんが、経済産業省の研究会が策定を始めているそうです。)
本間忠良氏といえば、2003年12月まで公正取引委員会委員をやっていらした方で、氏の書かれた「
ネット音楽とアナルコ・キャピタリズム」もCD輸入権の話題の際に、何度も参照させていただきました。
コンテンツに関わる方は、ぜひ一読される事をお勧めしますよ。
by CAB at 05/11/08 02:23