洋楽輸入盤CDが買えなくなる著作権法改正
今まで散発的に書いてきたので、まとめエントリーをひとつ作っておくことにしました。
現在、輸入盤を制限するような著作権法の改正案が出され審議されています。元々アジアの国で販売された邦楽CDが日本に逆輸入されて格安で売られるのを防ぐのが目的であるとされていますが、邦楽か洋楽かを区別して法律を適用することができないために、現在安価な値段で国内で販売されているような洋楽輸入盤もこの法律改正によって輸入販売を規制することが、国内のディストリビュータの判断だけで可能な状況になってしまいます。
現在洋楽は輸入盤が安価なのに対して、国内版が高価なCCCDで売られている状況ですから、安い輸入盤の扱いをやめて高価な国内版だけ販売できるようになれば、レコード会社は売り上げ増が見込めるわけですから、営利企業としてそのような方向に流れることは容易に想像できます。
問題意識を持つ人も増え、現在は「
海外盤CD輸入禁止に反対する」というポータル的ページを運営している方も現れていおり、問題点や影響が簡潔にまとめてられているので、是非参照してください。
このエントリーではこのCD輸入権(もしくは還流防止措置)導入に関する気持ち悪い点と、
これまでOTO-NETAで取り上げたに関するエントリーをまとめておきます。
■CD輸入権導入のための著作権法改正の気持ち悪い点
- 邦楽の逆輸入盤を対象とすると言っているが、洋楽輸入盤にも適用できる
- 洋楽には適用しないということを、日本レコード協会の依田氏(Avex社長)は言っているが、これは依田氏が5大メジャーレーベルの日本担当者に確認した程度のもので、5大メジャーレーベルの本社に確認が済んでいない
- そもそも日本の音楽CDは再販制度により高値が維持されるように保護されているのに、更に著作権法を改正して二重の保護を行うのは企業努力が足りないのではないか
- 輸入権発動には販売国の指定表示や、国内版との価格差が必要とされているが、どちらもライセンス元もしくはライセンシーの判断で操作できるために、容易に輸入権発動可能である
- 逆輸入を制限したいだけならば、著作権法まで変えなくても対処のしようがありそう
■関連エントリー
by CAB at 04/04/17 16:33